寒ざらしそば

寒ざらしそば

 毎年、大寒に合わせて作業を開始します。国の「水源の森百選」に選ばれている「不動沢水源林」のある山形市上宝沢地区不動沢流域は、水温も低く冷水処理(水漬け)には非常に適した場所です。

 

 当日は、作業の無事を願って神官の祈祷から始まり、新ソバ「でわかおり」の玄ソバを網目袋に入れ、水温1℃の澄み切った清流の中に浸します。

 

 十日間の冷水処理(水漬け)の後、水から揚げ、山形市西蔵王高原の土坂地区に運び、戸外の雪中に設置した棚に並べます。

 

 蔵王連峰から吹き降ろす寒風と真冬の紫外線が強い太陽光線、厳しい寒さに晒す処理作業を続け、3月に最後の水分調整乾燥を経て完成です。

 

 新ソバの実を真冬の冷たい清流にさらし、その後、寒風にさらす事により、ソバのあくが抜けて甘味が増し、上品な味に仕上がります。

 

 江戸時代、将軍家や大名に献上したことから「御前そば」の別名があるくらい、殿様や一部のそば通だけが味わった逸品と言われています。

 

 「寒ざらしそば」は、桜の開花(霞城観桜会)に合わせ、4月上旬頃から販売致します。

作業の無事を願って神官の祈祷

上宝沢地区不動沢での水漬け作業

水漬け10日後の水揚げ作業

西蔵王土坂地区の寒風晒し場